少年犯罪は増加しているか?凶暴化しているか?

統計からすれば減少傾向にあるらしい。ただし(1)によれば、

少年犯罪が凶悪化しているとは単純に言えないし、ましてやバスジャック殺人事件など上記の最近連続して発生した事件によって、少年犯罪凶悪化を説明することは誤りである。しかし、現代少年が重大な非行や犯罪から遠ざかりつつあるというのではない。逆に、犯罪や非行への接近可能性は一般化し広がっていると警戒すべきであろう。

とのことだ。また、

では六〇年代始めに現在の数倍もあった殺人事件は、私たちの「身近」ではなくて、どこで起きていたのか。どのようにして私たちの「身近」にやってきたのか

とあるが、これはTVの普及が原因じゃないだろうか?元々「身近」でおきてもおかしくはなかったのだが、当時の報道ではそう感じる人がいなかっただけかと。それがTVの普及で「身近」なものに感じるようになっただけじゃないかと。

http://kangaeru.s59.xrea.com/ijou.htm

ここの事件を見るだけでも1970年以前の加害者が「身近かじゃない人間」だとは言えない。なので(1)の文には疑問符がつく。

http://www.wako.ac.jp/souken/touzai01/tz01okudaira/okudaira_tab2.jpg

このアンケート調査を見て、最近の子供は危険な兆候があると考えるのはどうだろうか?この意識調査がかなり昔から行われていて、その当時との比較があるわけじゃないので、なんともいえない。自分が中高生の頃に「身近な人を殺したいと思ったことがありますか」との問いに「ある」と答える率は低かったなどと断言できる人はどのくらいいるのだろうか?結局のところ、危険な兆候はあるかもしれないしないかもしれない、ってことしか言えない。

また、1970年後半以降、文化的抑圧原因型の少年犯罪が増加しているとあるが、これはどうなんだろう?「従来の少年犯罪についての常識では理解できない凶悪事件がおこりはじめる」とあるがこれも疑問だ。そもそもどこからどこまでが「常識では理解できない凶悪事件」なのかの判断基準がわからない。1970年以前から常識では理解できない凶悪事件はあったわけだから、単に経済的抑圧原因型の犯罪が大幅に減少した、と判断するのが妥当だろう。

結局のところ

http://kangaeru.s59.xrea.com/index.htm

あたりを見て、自分で「常識では理解できない犯罪」が増加しているかどうか判断するしかないようだ。そもそも犯罪自体が常識では考えられないと思うんだが。

にしても昭和40年前半以前の少年犯罪の殺人事件数はすごいものがある。

こういう風に言い切るのはどうかと思うが。